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屋根は桟瓦で葺き、寄棟造とするが、隅切部は切妻につくってある。 外壁は、箱目地張り下見(溝状に目地をとって横方向に板を張る手法)とするが、1・2階の腰壁部分のみ竪板張りとしている。2階の窓の上部にはそれぞれに長方形のフィールデッド・パネル(枠のなかに平らに板を張り、中央部を一段高くしたもの)を配する。明治期の木造建築の意匠としては、特に豪華とはいえないが、比較的凝った手法といえる。窓は木製サッシュの上げ下げ窓とする。 隅切部の主玄関扉の上部と、その真上の2階窓の上部にはペディメント(三角破風をかたどった装飾)を配する。角に主玄関を開く構成は明治期の金融機関でしばしば見られる。その際には角部を強調するため、当建築のようにペディメントを置くか、屋根に塔を付けるかするのが一般的な手法であった。 なお、南側の外壁の一部が煉瓦造となっているが、これはこの建物の建設以前にこの敷地にあった建築物の煉瓦壁を利用したものと考えられる。 |
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正面玄関上部建物の角を切り、その角に玄関部を置く構成は、明治期の金融機関にしばしばみられる。 その際角部の強調のため、ペディメント(三角波風飾り)を置くか、屋根に塔を付すのが一般的手法であった。 |
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木製サッシュの上げ下げ窓2階窓枠上部に配した長方形のフィールディング・パネル。 |