室内デザインの特徴

 1階内部は営業室が大半を占める。中央部にL字型にカウンターを配置し、南西隅(移築前は北西隅)に階段を設ける。カウンターは失われていたが、同時期に建てられたほかの銀行建築を参考に復原した。階段も1階部分は改変されていたが、2階には手すりがよく残っており、そのデザインに基づいて復原した。天井は幅広の格縁をめぐらした格天井で、格間は板を斜めに張る。また6角形の中心飾り2個を設け、照明器具の吊り元とする。この部分の格間には透かし彫りを施している。壁には腰羽目をめぐらし、天井の重厚さと相まって、銀行にふさわしい格調を演出している。
 東面北寄り(当初、南面東寄り)には煉瓦造の金庫室が突出するが、この部分は遅れて完成したと見られる。その南側(階段室として利用している部分)はさらに後世の増築である。
 2階は、西側に前室を置き、階段ホールとする。その奥は広間で、執務室であったと考えられる。この部屋も格天井とし、腰羽目をめぐらすが、その使用は1階より簡素化されている。

建物見取り図



1階部分

1階資料室全景

銀行営業室として、創建当時の姿に復元。
カウンター、照明は現存しておらず、同時期に銀行を参考に復元したものである。

創建時の姿をとどめる格天井


透かし彫りを施した六角形の中心飾りとシャンデリア。

2階部分

階段2階部分


建築当時のままの2階の階段と手すり


建築物について  
外観デザインの特徴

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